Memoirs of the Faculty of Science
Kochi University (Information Science)
Vol. 26 (2005), No. 5

高知学園短期大学におけるLAN監視システム構築

濱田美晴1,2,菊地時夫3

1. 高知大学大学院理学研究科数理情報科学専攻
2. 高知学園短期大学
3. 高知大学理学部

要旨
高知学園短期大学においては,平成11年度から12年度にかけて構内ネットワークの導入・整備が行われた.しかし,その後端末の増加に伴い順次必要箇所へHUBとケーブルを増設していったため,多段接続となりその構造が複雑化していた.このため,問題点の多かった旧ネットワークを改善し,平成15年度末にはスター型の光ケーブル配線による新ネットワークへと移行した.

本研究では,新ネットワークについてパケット流量計測による監視システムを構築した.システム構築監視の基本目的は,(1) ネットワーク構成機器のパケット流量を測定すること,(2) ネットワークに障害が発生した場合や接続不良の要因を特定すること,(3) ネットワーク構成機器の障害や故障に迅速に対応すること,(4) 管理者の負担を軽減することである.

ネットワークシステムを管理するためのツールとして一般的にSNMP(Simple Network Management Protocol)が用いられている.SNMPはネットワークを構成する機器(エージェント)に内部情報を保持し,監視サーバ(マネージャ)からネットワークを通じてその情報を管理する仕組みであり,本研究ではこのSNMPを利用した監視システムを構築した.

システム構築にはデータベース部にPostgreSQLを,データベースとの連携を図るためPythonプログラム言語とApacheウェブサーバを用いた.本システムの最大の利点は,データベースの検索機能を付加したことでグラフ表示に自由度を持たせたことである.管理画面は,パケット流量の大きさや異常を,数値のみでなく画像で表現できる仕組みを備えた.また,メール通知システムの導入により障害発生時にメールで異常を知らせる機能を持つため,迅速な対応が可能となっている.

(2005年3月14日 受付)

全文(PDF) 977KB