Memoirs of the Faculty of Science
Kochi University (Information Science)
Vol. 27 (2006), No. 1

Weil 対を用いた暗号システムに適した CM 曲線の構成

太田浩祐1,塩田研一2

1. 高知大学大学院理学研究科数理情報科学専攻
2. 高知大学理学部

要旨
楕円曲線上の Weil 対を利用した暗号システムにおいては、 数百ビットの m に対して m-等分点の座標を 拡大次数の小さな体に納めることが必要であり、 supersingular な楕円曲線を用いた場合には 定義体の高々 6 次の拡大体での設計が可能である。 本研究では CM 曲線の構成法に改良を加えることにより 次のような楕円曲線が高速に構成できることを示す: (i) m-等分点の座標が全て素体 Fp 上有理的であるもの、 (ii) 任意の拡大次数 l について、 Fp-有理的な m-等分点は m 個のみで、 全ての m-等分点の座標を含む体は l-次拡大になるもの。 前者は双一次形式を必要とする暗号システムを 素体上で設計することを可能にし、 後者は、公開鍵は素体上の有理点、 セキュリティレベルは拡大体上の Diffie-Hellman 問題と同等、 という設計を可能にする。
(2006年3月7日 受付)

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