Memoirs of the Faculty of Science
Kochi University (Information Science)
Vol. 29 (2008), No. 2

教育用マルチメディアコンテンツ配信の方法に関する研究
-- ポッドキャストの利用状況について --

山本 泰希1, 菊地 時夫2, 坂本 世津夫3

1. 高知大学大学院理学研究科数理情報科学専攻
2. 高知大学理学部
3. 高知大学国際・地域連携センター

要旨
教育の分野において,講義内容の要約や教材をウェブページとして 提供するだけでなく,音声や動画を配信する例が増えている. 中でも,ポッドキャストはニュースや語学教育など定期的に 更新される情報の配信で利用が急激に広がった.高知大学でも, 2005年7月からラジオ公開講座として高知県をテーマにした 生涯学習の講座をラジオ放送で行っている.同10月からは通常の ラジオに加え,従来の音声データファイル配信であるストリーミング 形式の配信と,ポッドキャストによる音声ファイル配信を開始した. ポッドキャスト配信ではウェブブラウザから手軽に講座情報や 講座題目情報を投稿出来るシステムを構築,運用している. 本論文では,配信開始以来のポッドキャストによるアクセスの 特徴を探るとともに,ユーザの利用状況を知り,よりいっそう ラジオ公開講座の充実を図るため2つの方法で検証を行った. 1つ目はポッドキャストサーバのログ情報の分析であり, 2つ目はポッドキャストを利用したユーザへのWebアンケートである.高 知大学のラジオ公開講座ポッドキャスト配信は,全国的にもユニークな 取り組みであるが,ラジオ放送だけでは難しいグローバル性の向上に つながったことが明らかになった. また,引き続きアンケートやログ解析の実施によって改良を進めることで, 非常に効率の良い生涯学習システムを構築できる可能性が示された.
(2008年3月4日 受付)

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