Memoirs of the Faculty of Science
Kochi University (Information Science)
Vol. 29 (2008), No. 8

二分木と三分木のクロックツリーの回路規模に関する研究

下川 遥香1, 豊永 昌彦2

1. 高知大学理学部数理情報科学科
2. 高知大学理学部

要旨
高度情報化社会の推進によって,コアLSIは,大規模化と高速化を要求されている.しかしLSIのクロック周波数の高まりは消費電力を増大させてしまうため,今後のLSI設計ではより小規模なクロック回路の生成が重要となる.クロック回路規模は配線と素子の総和で決まる.従って回路規模を縮小するには配線長・分木点数・段数を削減しなければならい.著者は本論文においてクロック分木数を増やして従来の二分木と二分木以上の分木数をもつクロック回路の規模の面からの優位性について定量的な比較をおこなった.端子をランダムに配した簡単なベンチマークデータで評価したところ,三分木が二分木に比べて規模を約7%削減できた.三分木クロック回路により総量が減ると安価・小型化が期待できる.
(2008年3月17日 受付)

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