Memoirs of the Faculty of Science
Kochi University (Information Science)
Vol. 29 (2008), No. 9

配線間隔が可変なクロストーク回避配線手法

竹谷 啓1, 豊永 昌彦2

1. 高知大学理学部数理情報科学科
2. 高知大学理学部

要旨
本論文は,DSM問題の1つであるクロストーク問題の配線手法からの解決方法の研究について述べるものである.ここで提案する配線手法は,クロストーク現象のみられる2つの信号配線について,配線間隔を変更することでその影響を緩和させる.いままでも,1グリッド間隔のみを広げる配線方法は提案されてきたが,本手法では,その間隔を1グリッド以上離すことができる.本手法の特徴は,距離毎の経路探索点をn個までリストに保持し,対象となる配線からの距離を指定した値だけ離して配線経路を検索することにより実現した. 多数のリストを使い分ける上で障害となる処理速度についても,配線領域へのラベル付け等により,従来迷路配線法とほぼ同等程度になるよう改善されている.これら本手法の機能および優位性を,様々な2端子問題へ適用した実験により確認したので,ここに報告する.
(2007年3月17日 受付)

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